不適合者量産社会

言葉の順番がおかしいな、と思う事例を2つ紹介します。

1.「卵の腐ったような臭い」

化学の授業で、硫化水素の臭いが、「卵の腐ったような臭い」だと習います。しかし、硫化水素は純粋な1つの物質であるのに対して、卵が腐った時にする臭いというのは、化学的に色々な成分を含む曖昧なものです。そのため、化学的な観点からみると、この言葉は順番が逆で、「卵が腐った時は、硫化水素の臭いがする」というのが、正しいわけです。たまたま多くの人が、硫化水素という物質を認識する前に、腐った卵の臭いをかぐ機会を持つので、そういう言葉が使われるわけです。

2.「社会不適合者」

同様に、社会不適合者という言葉も、順番がおかしいと感じます。まず社会という確固としたものが先にあって、それに適応できない人間がいる、みたいな印象を受ける言葉ですが、社会を成り立たせるために人間がいるのではなく、いろんな人が仲良く暮らしていくために社会があるのです。つまり、社会不適合者ではなく、不適合者量産社会というのが、正しい言葉だと思います。時系列で言えば、自分が生まれるより先に何らかの社会が形成されていますが、あるべき主従関係は、人間のための社会です。

もっと、いろんな人が、いろんな個性のまま楽しくやれる社会になっていったらいいなぁと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA